開発ストーリー|Φ46スロットルボディ

開発ストーリー|Φ46スロットルボディ

46スロットルボディ(CB1300SF)

↑CB1300SF+Φ46スロットルボディ

《トルクがほしかったら、いちばん効果的》

2000年にはCBR900RRを燃料噴射(FI)化し、燃料噴射量や点火時期をすべて設定可能なフルコンでFI制御に取り組んだ。

「ホンダがCBR900RRの次期モデル(CBR929RR)を燃料噴射にすると聞いたんで、やっとかな あかんなぁと思って」

エンジンを始動させるところからFI&点火マップを作り上げていくのは大変だったが、何をどうすると、出力特性がどう変化するのかを理解できたのは大きな収穫だった。

それから十数年が過ぎたある日、「ノーマルはトルクないねん」というお客さんの言葉を聞いて、ふとCBR900RRをFI化したときの記憶がよみがえった。

さっそく当時のスロットルボディを引っ張り出してきてCB1300SFに装着してみると、期待以上に効果的。トルクがド~ンと上乗せされたのだ。

そこでキャブレターメーカー『ミクニ』に協力してもらい、CB1300SF用Φ46スロットルボディZRX1200DAEG用Φ46 スロットルボディを完成させた。

46mmスロットルボディ(ZRX1200DAEG)

↑ZRX1200DAEG用のΦ46 スロットルボディ。その名の通り口径は46mm。

46スロットルボディ用エアクリーナー

↑ファンネル仕様が標準だが、オプションでエアクリーナーを取り付けることもできる。

「トルクがほしいんだったら、カムやピストンを交換するより、こっちのほうがええよって言うんや。ノーマルに戻すのも簡単だし」

ただし、純正ECUと各種センサーの間に割り込ませて燃料噴射マップをセッティングできるようにするサブコンが必要。だから、このあたりの仕組みを理解し、セットアップに対応できるショップ(→詳細はこちらにだけ提供している。

いいパーツだからこそ、大切に育てていきたいのだ。

ちなみに、このスロットルボディに興味のあるショップのスタッフには試乗してもらい、気に入ってくれたら個別勉強会を開催したうえで、販売をお願いしている。「お客さん想い」のモノづくり哲学が貫かれているからだ。

Road Impression

《現代FI車のためのFCR?!》

CB1300SF+46mmスロットルボディ

Φ46スロットルボディとSpec-Aチタン4-2-1/TYPE-Sサイレンサーを組み込んだCB1300SFに試乗したら、まず驚くのは、その乗りやすさだろう。強大なトルクが、意のままに、こんこんと湧き出てくるから、市街地走行もまったく苦にならない。

郊外のクルマの流れに乗って低回転でクルージングしているときの気持ちよさも、声を大にしてお伝えしたいところだ。

最近のバイクは、こうしたシチュエーションになると空燃比がサッと薄くなってしまって、パワー感が薄味になるものだが、Φ46スロットルボディ装着車はズォ~ッという有機的な燃焼感がいつまでも続き、心地よく流していられる。

雑味の無い、高級な回転フィーリングを持っていることも付け加えておきたい。

46mmスロットルボディ

大きくスロットルを開けると、笑っちゃうくらいに豪快な加速をみせるが、ドライバビリティ(過渡特性)に優れているので、怖さや不安感といったものは皆無。

スロットルひと開けでフロントタイヤを持ち上げるのも朝飯前だ。エンジンブレーキのかかり方も自然で違和感がない。

そんなときに、ふと思い出したのが、きちんとセッティングされたFCRキャブレターのフィーリングだった。

しかも、FCRの感動を上回るのがΦ46スロットルボディ。セッティングを変えて遊ぶ奥深さも備えている。

FCRと違って、ニードルやジェットを買いそろえる必要はない。PCをつないでササッとフィーリングをアレンジできるのが、Φ46スロットルボディのいいところでもある。

《乗ればわかるハンドル&ステップの効果》

実は、このCB1300SFに試乗した方が、よく買って帰るのがセパレートハンドルとステップだという。

レース用ステップAssy

ステップと言えばマルチポジションが主流だが、このレース用ステップAssyは1ポジションのみ。レースだったら、転んだときにバイクを壊さず、何とかピットに戻ってこられるようにしておけば、あとはシンプル軽いほうがいい。

実際に乗ってみると、ステップバーの滑りにくさと、足さばきのしやすさ、下半身で車体を自由自在に操れるバーの位置に、驚くはずである。すべて8耐チャレンジで煮詰められたものだから、当然と言えば当然なのだが。

ベストポジションが出ていたら、それ以上、変える意味はないやろ」

セパレートハンドルST

セパレートハンドル・トップブリッジセットSTにしても「カッコよくて、楽ちん」なのが試乗した方たちに大好評。

セパレートハンドル・トップブリッジセットST鈴鹿8耐のときに比べると、アルミ削り出しのライザーでグリップ位置をかなり上げてある。自社一貫生産だから、こうした対応も簡単なのだ。

もともとレース畑を歩いてきたから、どのパーツも虚飾を排した実用主義。だから「本物」を追い求める人ほど、ヤマモトのパーツのファンになるのだろう。

 

→「開発ストーリー|Spec-A

→「開発ストーリー|クロスミッション

→「ヤマモトレーシング物語|はじめに

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